「ごはんのほうが体にいい気がするけど、朝はパンのほうがラクなんだよなあ……」

そう思いながら、トースターに食パンを入れる朝。冷凍ごはんをレンジに入れながら「パンでもよかったかな」と考える夜。主食は毎日のことなのに、いざ選ぼうとすると決め手がなかったりします。

「お米と小麦、健康にいいのはどっち?」と調べてみても、どちらにもいいところが書いてあって、結局どっちなの、ともやもやするだけ。

先に言ってしまうと、ごはんかパンかだけで勝ち負けをつけるのは、ちょっと無理があります。農林水産省の食事バランスガイドでは、ごはん・パン・めんはどれも「主食」というひとつのグループで、主に炭水化物をとる料理として扱われています。そこに主菜や副菜を組み合わせて、食事全体を考える仕組みです。主食だけを見ても、その一食がどんな中身になるかは決まらないんですよね。

なので比べたいのは、「どれくらい食べるか」「横に何を置くか」「家にどう置いておけるか」のほう。忙しい日に迷いやすいところから見ていきます。

「パン」といっても、食パンと菓子パンは別もの

まず引っかかりやすいのがここです。

食パンは、焼いてバターを塗ったり、卵やチーズをのせたりと、何かを足していく前提の主食です。いっぽう甘い菓子パンや、焼きそばやカレーが入った惣菜パンは、それだけで味が完成しているので、ひとつで「食べた」気持ちになりやすいもの。

コンビニでメロンパンをひとつ買った日と、食パンにハムとレタスを挟んだ日とでは、同じ「パンの日」でも中身がずいぶん違います。ごはんも同じで、白いごはんとおにぎりとチャーハンでは、横に置きたくなるものが変わります。

「ごはんかパンか」の前に、「主食だけで終わりそうか、何か足す余地があるか」を見てみる。そのほうが、実際の一食の姿に近い気がします。

冷蔵庫のおかずから、主食を決める

忙しい日に使いやすいのは、主食から決めるより、家にあるおかずのほうから決めるやり方です。

食事バランスガイドでいう主菜は肉・魚・卵・大豆製品などを使った料理、副菜は野菜・きのこ・海藻などを使った料理。といっても、難しく考えなくて大丈夫です。冷蔵庫を開けて、何が合いそうか見るだけ。

納豆、豆腐、卵、ちくわ、インスタントのわかめのお味噌汁。このあたりがあるなら、ごはんに寄せたほうが、器を並べるだけで一食になります。ハム、チーズ、卵、トマト、袋のサラダ、カップスープがあるなら、パンのほうがしっくりきます。

買い足しで迷うときも同じです。食パンをかごに入れたら「明日の朝、これに何をのせる?」と一瞬だけ考えてみる。主食だけ買って帰って、合わせるものが何もない……という朝は、けっこうさみしいものです。

器ひとつで済ませたい日は、丼かサンドイッチ

カレーや丼物のように、一皿にいくつかの料理グループが入る料理もあります。ごはんに目玉焼きと冷凍ほうれん草をのせる、食パンにツナと薄切りの玉ねぎを挟む。器を増やさずに、主食の上で主菜や副菜を足せます。

洗い物を増やしたくない夜は、「ごはんかパンか」より「のせるか挟むか」で考えると、ぐっとラクになります。

量の決めやすさは、茶碗と枚数で違う

ごはんは、よそう量を自分で加減しやすい主食です。その反面、炊きたてだとつい多めによそったり、逆に疲れていると少なめで済ませたり、その日の気分に左右されがち。

パンは、6枚切りか8枚切りか、1枚か2枚か、と単位がはっきりしています。量が目に見えやすい代わりに、「1枚だと物足りないけど、2枚は多いかも」の中間はつくりにくいんですよね。

どちらがいいというより、自分にとって量を決めやすいのはどっちか、です。冷凍ごはんなら、小分けするときに一食分の量が決まります。忙しい日の自分に任せず、余裕のある日の自分が決めておける。ここは地味に助かるところです。

ストックとして、どっちが手元に置きやすい?

最後は、家での置き方の話です。

ごはんは、炊く日に釜を洗う手間がありますが、小分けして冷凍しておけば、あとは温めるだけ。パックごはんを置いておく人もいますよね。食べるときは茶碗とお箸が要ります。

パンは、買ってくれば袋から出すだけ。お皿1枚で済むし、急いでいる朝は手に持ったまま食べられます。ただ、袋を開けると「早めに食べきらなきゃ」が気になってきて、冷凍しておく人も多いはず。保存のしかたや期限、解凍や温め方は、それぞれの商品の表示に従ってください。

「明日の朝、切らしていたら困るのはどっち?」と考えると、買い足しの順番も決めやすくなります。朝は手が空かないからパンがないと困る、夜はお味噌汁と合わせたいからごはんがないと困る。人によって違っていいところです。

「今日はどっち」と迷ったら

冷蔵庫を開けて、主菜になりそうなものをひとつ見つける。それに合うほうの主食を出す。決め方はそれだけで十分です。毎日同じでもいいし、朝はパン、夜はごはんと分けてもかまいません。

なお、持病やアレルギーなどで食事について指示を受けている人は、そちらを優先してくださいね。

参考資料