「このお弁当だけだと、なんだか足りない気がする……」。レジに並びながら、サラダの棚をちらっと見てしまうことってありますよね。
でも、その「足りない」が何なのか、自分でもよくわかっていなかったりします。量が足りないのか、野菜が少ないのか、それともただ手抜きっぽくて落ち着かないだけなのか。わからないまま、とりあえずサラダをかごに入れる。家に帰ったら、冷蔵庫には昨日買った豆腐がまだ残っている。こういうちぐはぐ、地味にもやもやします。
市販のおかずや宅食を使う日に一品足すなら、「何がいいか」より先に、「今の器に何が見当たらないか」を見ると決めやすくなります。
器の上を、ざっくり三つに分けてみる
農林水産省の「食事バランスガイド」では、料理を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つのグループで考えます(農林水産省「何を」「どれだけ」材料と料理区分)。夕食の一品を考えるなら、まずは最初の三つで十分です。
- 主食:ごはん、パン、めんなど
- 主菜:肉、魚、卵、大豆製品などを使った料理
- 副菜:野菜、きのこ、海藻などを主な材料にした料理
細かい量までは考えなくて大丈夫です。買ってきたものを器に出したとき、この三つのうち「見当たらないもの」がどれかを探すだけ。それが、足す一品の手がかりになります。
緑がほとんど見えないなら、サラダの出番
から揚げ弁当、焼き肉弁当、のり弁。ごはんもおかずもしっかりあるのに、野菜は端のほうに少しだけ……というお弁当はけっこう多いものです。
こういう日は、サラダの棚で迷った自分の勘がわりと合っています。ただ、サラダでなくてもかまいません。冷凍のほうれん草やブロッコリーを袋の表示どおりにレンジで温めたもの、きのこのおひたし。野菜やきのこ、海藻が主役の小鉢なら、副菜の役目を果たしてくれます。
ちょっと気をつけたいのが、お湯を注ぐだけのわかめスープ。手軽でうれしいのですが、具がほんのひとつまみ、というものも多いんですよね。汁物は具の量しだいで、野菜の小鉢と同じひと皿分とは言いにくいことがあります。具が少なめのスープなら、それとは別に野菜を少し考えておくと安心です。
選ぶときに考えたいのは、食べたあとのことです。パックのサラダなら容器を捨てるだけ。冷凍野菜を温めるなら、耐熱の器がひとつ増えます。疲れている夜は、洗い物が増えないほうを選んでおくと気がラクです。
ごはんやめんばかりなら、卵や豆腐を考える
逆に、器の上が主食でいっぱいの日もあります。おにぎり2個、ざるそば、冷凍のパスタ。お腹は満たされても、肉や魚、卵、大豆製品がほとんど入っていない。
こういうときにサラダを足しても、見当たらないものはそのまま残ります。考えたいのは主菜のほうです。
- 豆腐なら、パックを開けて器にのせ、しょうゆをかけるだけ
- 納豆なら、混ぜるだけ
- ゆで卵や温泉卵を買っておけば、殻をむくか割るだけ
- サバ缶などの魚の缶詰なら、開けて器に出すだけ
冷蔵庫に豆腐が残っているなら、それを使えば買い足す必要もありません。レジ前で迷ったときに「家に何があったっけ」と思い出せると、ちぐはぐが減ります。
丼やカレーは、もう何品分か入っているかも
親子丼、カツ丼、カレーライス。器はひとつなのに、ごはんと肉や卵がいっしょに入っています。食事バランスガイドでも、カレーや丼物のように一つの料理に複数のグループが含まれる場合があるとされています。
つまり、品数が一品だけでも、主食と主菜はもうそろっていることがある。そう考えると「丼ひとつだけで手抜きかな」という後ろめたさは少し軽くなります。そのうえで、具に野菜が少なければ、野菜の入ったスープや冷凍野菜を一品。足すならそこだけで済みます。
宅食のおかずセットの日は、主食を確かめる
宅食は、おかずが何品か詰め合わせになって届くものも多いですよね。主菜も副菜も入っていそうで、もう足すものはない気がします。
ここで見落としやすいのが主食です。おかずだけが届くタイプなら、ごはんやパンは自分で用意することになります。メニュー表や容器の表示を見て、ごはんが入っているかどうかを確かめておくと、「なんだか物足りない」の正体がわかることもあります。冷凍ごはんをいくつか常備しておけば、温めるだけで済みます。
家に何を置いておくか、で迷ったら
毎回お店で考えるのが面倒なら、「足す一品」を家に置いておくのもひとつの手です。ただ、何でもそろえればいいわけではありません。
決め手になるのは、使い切れるかどうか。豆腐やパックのサラダは期限が短めのものが多いので、使う予定のある週だけ買う。冷凍野菜や乾燥わかめ、卵、缶詰は置いておきやすいほうですが、保存のしかたや期限は商品によって違うので、買ったらパッケージの表示を一度見ておくと安心です。自分がよく買うのがお弁当なのか、めん類なのかで、置いておくものも変わります。野菜の少ないお弁当が多いなら副菜になるもの、めんやおにぎりが多いなら主菜になるもの、というふうに。
品数が多いほど安心、とは限らない
「三品そろえなきゃ」と思うと、一品足すつもりが二品、三品と増えて、結局食べきれない夜もあります。品数が多いことと、組み合わせがそろっていることは別の話です。丼ひとつに野菜たっぷりの汁物ひとつでも、器の上には三つのグループが並んでいることがあります。
また、ひとつの食品を足せばその食事が十分になる、というものでもありません。今夜足せなかったものは、明日の朝や昼に気にかければいい、くらいの見方で大丈夫です。
なお、持病で食事の指示を受けている人やアレルギーがある人、妊娠中の人は、医師などからの指示を優先してください。
今夜のお弁当を器に出したら、主食、主菜、副菜のうち見当たらないのはどれか、ひとつだけ探してみてください。全部をいっぺんにそろえようとしなくて大丈夫。今夜は、まずその一品から足してみましょう。
参考資料
- 農林水産省「何を」「どれだけ」材料と料理区分(2026年10月29日確認)



