「おでこはテカってるのに、ほおはなんだかつっぱる……私の肌って、結局どっちなの?」と、鏡の前で首をかしげることってありますよね。

困るのは、そのあと化粧品を選ぶときです。棚には「乾燥肌用」「オイリー肌用」と並んでいて、どれかひとつに決めないといけない気がする。ネットの肌診断に答えてみても、その日の調子で答えが変わりそうで、いまいち信じきれない。

肌タイプの名前をひとつに決めようとすると、このもやもやはなかなか晴れません。それよりも、「どこが」「いつ」「何を使ったあとに」気になるのかを見ていくほうが、次に選ぶものの手がかりになります。特別なテストはしなくて大丈夫。ふだんのケアの中で見られることばかりです。

顔をまるごとひとつの肌として考えなくていい

「乾燥してるのにべたつく」が矛盾しているように感じるのは、顔全体をひとつの答えでまとめようとしているからかもしれません。

おでこと鼻まわり、ほお、口もと、あごまわり。同じ顔でも、気になり方は場所によってけっこう違います。テカるのは鼻の横だけで、ほおは夕方になるとかさっとする。口のまわりだけ粉っぽい。そんなふうに場所ごとに分けてみると、「べたつく」と「つっぱる」が同時にあっても、そこまで混乱しなくなります。

鏡を見るときは、ざっくり「おでこ・鼻」「ほお」「口もと・あご」の三つくらいに分けて、それぞれどうか。それで十分です。

気になるのは、いつ?

次に見てほしいのは時間です。同じほおでも、洗顔した直後につっぱるのか、朝起きたときなのか、暖房のきいた部屋に長くいた夕方なのかで、話がちょっと変わってきます。

「洗ったあとすぐつっぱる」なら洗顔まわりを、「昼過ぎにテカる」なら朝につけている量やメイクとの重ね方を振り返るきっかけになります。どれが原因と決めつけなくていいんです。「このタイミングでこう感じた」が分かるだけで、あとで相談するときの話がぐっと具体的になります。

ちなみに、洗顔後に何もつけずにしばらく置いて確かめる、という方法を見かけることがありますが、わざわざ保湿を我慢して肌を試す必要はありません。いつもどおりケアをしたうえで、気づいたときに見るくらいで大丈夫です。

最近、何か変えなかった?

意外と見落としがちなのが、使っているもの側の変化です。洗顔料を新しくした、日焼け止めを替えた、気になって美容液を一本足した。季節の変わり目に、なんとなく増えていたりしませんか。

「つっぱるから保湿をもう一本」「テカるから、さっぱり系も」と重ねていくうちに、洗面台の上がにぎやかになっていた……というのは、わりとよくある話です。米国皮膚科学会(AAD)は、洗う・保湿する・紫外線などから守るというシンプルなケアを基本にしていて、製品を増やしすぎると費用だけでなく刺激が問題になる場合もある、と案内しています(AAD「Skin care on a budget」)。

足す前に、いったん並べてみる

肌がよく分からないときほど、新しいものを買い足す前に、今使っているものを洗面台に並べてみてください。いつから使っているか。使い始めてから、感じ方が変わったか。ボトルを眺めながら思い出すだけでも、「そういえば、つっぱるようになったのはこれを替えてからかも」と気づくことがあります。

赤み・かゆみ・ひりつきは「肌タイプ」の話にしない

ひとつだけ、観察とは分けておきたいことがあります。赤くなる、かゆい、ひりひりする、痛い。こういう変化があるときは、「私は敏感肌だから」「年齢的にしかたない」と自分で片づけないでほしいんです。

消費者庁も、化粧品で肌にトラブルが起きたらすぐに使うのをやめ、症状の程度によっては皮膚科専門医の診療を受けるよう呼びかけています(消費者庁「インターネットでの化粧品の購入は慎重に」)。高かったから、まだたっぷり残っているから、と使い切ろうとしなくて大丈夫です。

メモは三行くらいで

ここまで見てきたことは、スマートフォンのメモに短く残しておくと役に立ちます。たとえば、こんな感じです。

ほお:洗顔のあとと、暖房の部屋にいた夕方につっぱる

鼻の横:昼過ぎにテカる。先月、日焼け止めを替えてから気になる

使っているもの:洗顔料、化粧水、乳液、日焼け止め(先月から新しいもの)

これがあると、売り場で相談するときも「混合肌っぽいんですけど……」より、ずっと話が早くなります。皮膚科にかかるときも、いつから、どこが、何を使ったあとに、を落ち着いて伝えられます。

肌タイプの名前は、決まらなくても困りません。「乾燥してるのにべたつく」を、場所と時間と使ったものに分けて書けたら、次に何を減らして何を選ぶかを考える材料は、もう手もとにそろっています。

参考資料

確認日:2026年10月29日